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七十二候ものがたり

2018/03/01 草木萌動(そうもくめばえいずる)

 

sanshou

 

「おじいちゃん、お寺の階段の下の木に、ちっちゃい葉っぱが生えてきてたよ」
それを聞いたおじいさんは「さすがみよこ」、お膳のお皿に添えてあった葉っぱを指さして「これじゃろう?」
「ああ、おじいちゃんずるい、とっちゃいけないと思って、みよこ、そのままにしてきたのに」みよこはおじいさんのお膳の向かいにぺたんと腰を下ろしました。「これ、食べる葉っぱなの?」
「山椒といってな、色といい香りといい可愛らしい葉っぱがいくつもついている様といい、いかにも春を代表する、ただ木の芽といえば山椒のことをいうくらいなんじゃぞ」
みよこは、おじいさんが止める間もなく、山椒の葉っぱを口に入れ、
「あ、みよこ!」
みよこはくしゃっと顔じゅうをしかめました。
「ほら、言わんこっちゃない、おまえにはまだ無理だろ」
「無理じゃないもん」
涙を浮かべて言い張るみよこを、おじいさんは目を細めて見つめました。

 

二十四節気”雨水”の末候
『草木萌動(そうもくめばえいずる)』〜 三月一日から三月五日

 

※ おはなしのフルバージョンは仕立てとおはなし処Dozoでどうぞ(詳細はこちら

 

※ 2018年、『七十二候ものがたり』を始めるに当たって綴った思いはこちら

 

※ 『七十二候ものがたり』を音声でお聞きになりたいこちら

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