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七十二候ものがたり

2018/03/06 ​ 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)

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おじいさんが、幾つか用を済ませてから庭のほうに回ると、みよこはまださっきと同じ格好で土を睨みつけていました。

「おい、みよこ、そろそろお昼にしよう」
「おじいちゃん、きっともうじきだと思う」
いつの間にか空から、冷たくて重たい雲がなくなっていました。庭の土があったかそうに、お日さまの光に光っています。
と、しゃがんでいるみよこの足元の土がむくむくむくと動きだして、顔をのぞかせたのは、ちっちゃなちっちゃなトカゲでした。
「おじいちゃん!」
「はは、みよこの粘り勝ちじゃな、まるでみよこが起こしてあげたみたいじゃないか」

 

二十四節気”啓蟄”の初候
『蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)』〜 三月六日から三月十日

 

※ 絵 / 喜多川歌麿(虻 芋虫)

 

※ おはなしのフルバージョンは仕立てとおはなし処Dozoでどうぞ(詳細はこちら

 

※ 2018年、『七十二候ものがたり』を始めるに当たって綴った思いはこちら

 

※ 『七十二候ものがたり』を音声でお聞きになりたいこちら

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