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七十二候ものがたり

2018/03/13 桃始笑(ももはじめてさく)

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「落ち着け、みよこ、じいちゃんは逃げやせんから」みよこが階段を駆けのぼってきました。おしまいの二段を一気に飛びこえておじいさんの横に立つみよこ。膝に手をついてはぁはぁはぁはぁ息をしながら、「あのね、あのね…」

「何よ、おじいちゃんだってみよこが何見つけたか聞きたくて待っててくれたんでしょ?」
みよこの言葉におじいさんは顔を崩し、「よしよし、で、何を見つけた?」
「笑いだしたの」
「ん?」
「桃の花が笑いだしたの」
「桃の花?」
「はじめお母さんが咲いてるの見つけてさ、みよこもお母さんと一緒にうわぁって桃の花見て、じっと見てたら、だんだん、お花が嬉しそうに笑いだしたんだよ」
おじいさんは大きく頷き、「そうかぁ、花が笑ったかぁ、いいなぁ、みよこ」

 

二十四節気”啓蟄”の次候
桃始笑(ももはじめてさく)』〜 三月十一日から三月十五日

 

※ 絵 / 歌川広重

 

※ おはなしのフルバージョンは仕立てとおはなし処Dozoでどうぞ(詳細はこちら

 

※ 2018年、『七十二候ものがたり』を始めるに当たって綴った思いはこちら

 

※ 『七十二候ものがたり』を音声でお聞きになりたいこちら

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