物語屋

042-315-6853

〒184-0001 東京都小金井市関野町2-3-11

ブログ

七十二候ものがたり

2018/04/05 ​ 玄鳥至(つばめきたる)

2014072906222000c

 

おじいさんは畳の上に紙を広げて字を書いていました。
「お庭に出てみればいいのに」とみよこが言いました。「空が晴れてて明るくて風もふわぁってなんだかすごく気持ちいいんだから」
「気持ちいいのもそのはずじゃよ」と言いながらおじいさんは「清浄明潔」の字を書き終えました。今日から万物が「清浄」で「明潔」、つまり清らかで明るく生き生きとする「清明」です。けれどこの言葉はみよこにはまだ少し難しいかなとおじいさんは思いました。
「それよりさ、おじいちゃん、ツバメも土のなかで冬眠するの?」
「ツバメ?」
「だっていつも春になると突然出てくるでしょ、冬の間はどこにもいなくなっちゃうのに、さっきもぱあって飛んできて」
「みよこ、もうツバメを見たのか?」
「ええ、おじいちゃん、知らなかったの? やっぱりお外に出ないからいけないんだよ」

 

二十四節気”清明”の初候
『玄鳥至(つばめきたる)』〜 四月五日から四月九日頃

 

※ 絵 / 単庵智伝

 

※ おはなしのフルバージョンは仕立てとおはなし処Dozoでどうぞ(詳細はこちら

 

※ 2018年、『七十二候ものがたり』を始めるに当たって綴った思いはこちら

 

※ 『七十二候ものがたり』を音声でお聞きになりたいこちら

TOP