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七十二候ものがたり

2018/04/20 ​葭始生(あしはじめてしょうず)

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さしていた傘で気がつかなかったのですが、いつの間にかすぐ前に、村の若い衆が立っていました。
「よく降るなぁ」とおじいさんが言うと、
「ええ、でもわたしら百姓にはこういう雨は本当に大事な雨で」
そう言って立ち去っていく背中を見送りながらおじいさんは、「百穀を潤すやさしい恵みの春の雨、まさに穀雨というわけか」
そのとき、土手の下から可愛らしい傘が駆け上がってきて、
「おじいちゃん!」
「みよこ! 何をしてるんじゃ、こんな雨の中」
「あのね、おじいちゃん、川の水辺に生えはじめてるの、こないだまではなかったよ、あの、ちっちゃくて尖った緑色の…」
言われておじいさんは、みよこが指さす川を見下ろしました。
「おお、あれは、葭の芽が生えだしたんじゃ」

 

二十四節気”穀雨”の初候
『葭始生(あしはじめてしょうず)』〜 四月二十日から四月二十四日頃

 

※ 絵 / 歌川広重

 

※ おはなしのフルバージョンは仕立てとおはなし処Dozoでどうぞ(詳細はこちら

 

※ 2018年、『七十二候ものがたり』を始めるに当たって綴った思いはこちら

 

※ 『七十二候ものがたり』を音声でお聞きになりたいこちら

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