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七十二候ものがたり

2018/05/05 蛙始鳴(かえるはじめてなく)

kaeru

 

夜のうちに降っていた雨はもうすっかり上がっていて、きらきらと朝日を返す雨粒の光が、春のそれとははっきり変わっていました。
「光の夏、今日から立夏か」
日に日に強まっていくその陽射しに、道に続く草や木の葉っぱの色も深みを増していて、その濃い緑のなか、気がつくとおじいさんは、田んぼまで歩いてきていました。
「おはよう、おじいちゃん」
まるでそこで待ち合わせでもしていたように、みよこが畔に立っていました。
「みよこ、ずいぶんと早起きじゃなぁ」
「だっておじいちゃんが、これから田んぼの周りでいろんなことが起きるって言うから、みよこ毎朝来てるんだよ」
おじいさんは笑って、「そうか、毎朝来てるのか」と嬉しそうに言いました。「さて、今日は何が起きるかのぉ」
田植えもすっかり終わり、田んぼに張られた水の上、一面に並ぶ苗も嬉しそうに朝日に光っています。
ココココココココ…
おじいさんとみよこは同時に顔を見合わせて、そして同時に、
「蛙!」
二十四節気”立夏”の初候
『蛙始鳴(かえるはじめてなく)』〜 五月五日から五月十日頃

 

 

※ おはなしのフルバージョンは仕立てとおはなし処Dozoでどうぞ(詳細はこちら

 

※ 2018年、『七十二候ものがたり』を始めるに当たって綴った思いはこちら

 

※ 『七十二候ものがたり』を音声でお聞きになりたいこちら

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