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七十二候ものがたり

2018/09/23 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)

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「みよこ、この間、ツバメが帰っていく話をしたが、夏の間はよく見られたのに、いつの間にかあまり見なくなったもの、ツバメの他にもあるかのぉ?」
「ううん…蝉が鳴かなくなった」
「うん、そうじゃなぁ、他には?」
みよこは、うろこ雲がきれいに広がる空を見あげながら、「いつだったかおじいちゃんに教わった入道雲、見なくなった」
「おお、おお、さすがみよこ、入道雲は何の印じゃった?」
「夕立!」
お寺の西の向こうのほうに兄弟みたいに並んでいる二つの山の真ん中に、秋分のお日さまがすうっと、吸い込まれるように沈んでいきます。
「春分の日に、あの二つの山と夕日を見てからもう半年じゃよ、みよこ」
みよこは隣に立っているおじいちゃんの手をぎゅっと握って、「季節って、面白いね」
そう呟いたみよこの手を、おじいちゃんもそっと握りかえしました。

 

二十四節気”秋分”の初候
『雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)』〜 九月二十三日から九月二十七日頃

 

※ 写真 / 映画『死者の書(原作 折口信夫)』から

 

※ おはなしのフルバージョンは仕立てとおはなし処Dozoでどうぞ(詳細はこちら

 

※ 2018年、『七十二候ものがたり』を始めるに当たって綴った思いはこちら

 

※ 『七十二候ものがたり』を音声でお聞きになりたいこちら

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