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七十二候ものがたり

2018/10/03 水始涸(みずはじめてかるる)

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その日、おじいさんのお寺の用事にみよこもくっついて一緒に出かけていき、その途中の道で、
「和尚さん、今日もみよこちゃんと一緒ですか」
村の若い衆が立っていました。若い衆は、おじいちゃんと手をつないで立っているみよこの顔を覗きこむように、「みよこちゃん、今日は田んぼで面白いものが見られるぞ」
「そうか、いよいよ今日か」とおじいさん。
「はい、これからなんです」
「ええ? 何、何? 何が今日なの?」
おじいさんがみよこの頭を優しく撫でながら、「みよこ、あとで一緒に田んぼに行こう」
用事を済ませたあと、おじいさんとみよこは二人で田んぼの畦までやってきました。
「うわぁ!」みよこが思わず叫びました。
「さっき水口を切ったばかりのようじゃな」おじいさんが言いました。
春からずっと張ってあった水の抜かれた田んぼは、なんだかすっかり様変わり、別のもののように見えます。下から覗いた泥の土が、きらきらとお陽さまに光っていました。
「あの土が乾いたら、稲刈りじゃ」

 

二十四節気”秋分”の末候
『水始涸(みずはじめてかるる)』〜 十月三日から十月七日頃

 

※ おはなしのフルバージョンは仕立てとおはなし処Dozoでどうぞ(詳細はこちら

 

※ 2018年、『七十二候ものがたり』を始めるに当たって綴った思いはこちら

 

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