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七十二候ものがたり

2018/10/08 鴻雁来(こうがんきたる)

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鴻雁来(こうがんきたる)

「どうしたみよこ、風邪引いたか?」
みよこは鼻をグスンと鳴らして、「昨日の夜、急に寒くて目が覚めたの、布団から足出して寝てたみたいで、お母さんに叱られちゃった」
おじいさんは少しからかうように、「みよこの寝相は相変わらずか?」
「だってぇ」
「そうか、そう言えば、今日からもう寒露じゃ」
「かんろ?」
「秋もだんだん深まりだして、露が冷たく感じられる頃という意味じゃよ、夜にはずいぶん肌寒く感じる日も多くなるから、気をつけないといかんぞ」そう言いながらおじいさんは、西の空に傾きかけたお日さまを見上げて、「夕方もどんどん早くなっていくなぁ、つるべ落としとはよく言ったものじゃ」
「つるべ落とし」の意味も教えてやらなくては、おじいさんがみよこに顔を向けるとみよこが、
「鳥がいっぱい飛んでくる」
その、つるべ落としの夕日を見ながら言いました。
おじいさんもみよこの視線を追ってまた西の空に目を戻し、「おお、あれは、雁か、みよこ、雁がやってきたぞ、本当に秋じゃなぁ」

 

二十四節気”寒露”の初候
『鴻雁来(こうがんきたる)』〜 十月八日から十月十二日頃

 

※ 絵 / 小松軒百亀

 

※ おはなしのフルバージョンは仕立てとおはなし処Dozoでどうぞ(詳細はこちら

 

※ 2018年、『七十二候ものがたり』を始めるに当たって綴った思いはこちら

 

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