物語屋

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ものがたりの錬金術

2019/02/26 自分のなかにあるもの

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冒頭、バスが坂を下ってくるシーンはなんと、
一番初めのSTAR WARS(episode IV)のオープニングをイメージしていたらしい…

 

「らしい」というのは、実は本人も気づいていなくて、編集の過程で繰り返しラッシュを見るその何度目かのときに「あ!」とわかったから。

 

物語屋が監督をやらていただいた短編映画『お母さんに返しといて』、
他にも、脚本や絵コンテをつくっている段階で「あそこのあれを使わせてもらおう」とはっきり意図してたシーン、その一方で、無意識のうちに盛り込まれていた箇所が(未だに気づいてないところも?)結構あるかもしれない。

 

「”ちょっとしたシャレっていうか…”という台詞が2度も出てきたけど、登場人物の桐子同様、彼の行動は”ちょっとしたシャレ”にはとても思えない、どんな意味があったのかな?」

 

上映会で、観賞後のトークのときにお客さんから受けたこの質問にうまく答えられなかった、
というか、一応返している自分の言葉を「なんか違うんだよな」と感じながら答えていた。

 

妖怪でも精霊でも物の怪でも呼び名はなんでもいいのだけれど、
例えば昔噺に出てくる河童、
(わかりにくかったら今ぼくらのそばに居てくれる犬とか猫とかでもいい)
とにかくこちらの都合などまったくお構いなしに不意にアプローチしてくるそれら、
そのやり方は得てして人には考えられない(”シャレ”にならない)アプローチであることが多く、
そこに人の側の基準を嵌めようとしても無意味なこと、
というより人の基準で相対そうとしたらきっと逃げていなくなってしまう、
じゃあどうすればいいか?

 

妖怪でも精霊でも物の怪でも呼び名はなんでもいいのだけれど、
それらが象徴しているものは実は、
自分たちをそこに居させてくれている水とか木とか風とか(犬とか猫とか)、

ぜんぶ合わせていわゆる「自然」、
映画の舞台になった「はけ」にはそれがいっぱい残っていて、
歩いていると不意にアプローチしてくる「それ」とどうつきあえばいいかを、
映画の母娘が見せてくれてるといい…

 

このへんのことってたぶん、
柳田國男とか小泉八雲とか南方熊楠とか折口信夫とか、
今まで自分が影響受けてきたあらゆる人やモノや場所やコト、
そんなところまで掘り下げたらどこまでだっていうくらいに深い自分の奥底にあるもので、
それが(あまりに深いところにあるからか)やはり意識しないまま、

自分がつくった映画の登場人物の台詞とか行動とかに出ていた、
意識していなかったから、急に聞かれて咄嗟に言葉にできなかった、
それに気づかせてくれたのは本当にありがたかったなぁと、
あとになってつくづく思いました。

 

結局、自分のなかにあるものがどうしたって出てしまう、
逆に言えば、自分のなかにあるものしか出てこない、
それがきっと、
「作品」、
いや、
ぜんぶ、すべてか…

 

※ 映画に引用された「自分のなかにあるもの」のうちSTAR WARS以外に自分で把握できているもの

『死者の書(折口信夫)』

『悪魔の手毬唄(石坂浩二バージョン)』
『時をかける少女(アニメ)』
『ジョジョの奇妙な冒険(杜王町編)』

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