物語屋

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ものがたりの錬金術

2019/08/13 お金がからまないほうが良いものができる

 

先週終わったお仕事。

言われていた締め切りギリギリになったが、なんとかつくりあげたものを納めた。

 

このあと、「ここはもうちょっとこうしたほうが」とか「そうくるんだったらあれも加えちゃってよくないすか?」とか返ってくるのを受けてまたこっちから、「なるほど、じゃあもしかして、こんなのもありかな…?」

 

これって、結構気もつかうしエネルギーもいるし大変なプロセスなのだけれど、
でも、何かをつくるときの、特に一人ではなく誰かとものをつくりあげていくその醍醐味を味わえるプロセスで、自分一人では気づけなかったフィードバックに、これまた一人では思いつかなかったものが自分の中から出てきて、そうしてどんどんと、当初自分が納めたものから形を変えていく、面白くなっていく、良くなっていく、想定していなかった度合いが強いほど「おお!」となるその発見が、楽しい。

 

その楽しい「プロセス」が、今回はなかった。

 

なぜかというと、「一回納めるところまでで幾ら」とお金が決まっていて、これ以上のやり取りが始まると追加料金が発生してしまうから。

 

その「追加料金」の貰い手は自分なわけで、その自分としては、「え? これで終わりなの?」とかなりな肩透かし感に、「お金はいいですから、もうちょっと最後まで一緒にやりましょうよ」と言いたくなったけれど、それは許されないらしい。

 

ふと思い出したのが、
去年ほぼ1年かけてつくりあげた、はけショートフィルム『お母さんに返しといて』。
一応物語屋(自分)が脚本・監督ということで元ネタと素材は揃えたが、それを一つの作品に仕上げていくいわゆる編集作業は、みんなで何度も集まり「ああでもない」「こうでもない」のやり取りを、試写会上映直前まで繰り返しつづけた。

 

…お金がからまないほうが良いものができる…

 

このたび、あの映画の舞台となったはけで開催される『はけの森映画祭』で、
『お母さんに返しといて』を上映していただくことになりました。
ありがとうございます。

 

はけに設営されたスクリーンに流れる映像を見ているうちに、
大変だったけど楽しかった制作過程を思い出して泣いちゃったりするといけないので、
くじら山の片隅でビール片手にこっそり見させていただこうかなと思っています。

 

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