物語屋

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ものがたりの錬金術

2021/04/29 土器の欠けら 〜 物語屋の縄文の話

 

昨年、とある方が、
「うちの近くで出たものだ」
と、縄文土器の欠けらを分けてくださった。

 

以来、物語屋のポケットにはいつも、それがしのび入っている。
ふとした折りに指先でそれに触れるとすーっと心が鎮まるのがわかる。
それが自分の心に及ぼすものがなんなのかはよくわからない。

 

あまりにしょっちゅう触っているせいか、

最近、気のせいか少し黒光りしてるように見えてきて、
ときどきポケットに入ったまま洗濯機にかけられたりもしてるので、
何千年もの間ずっとそのままだったのに、

物語屋の手に渡った途端(笑)、ひょっとして摩耗が始まった…?

 

何千年も前に生きた人が焼いた土につけた紋様、
それを今の自分が触っていることの、
なんというか、
でも、理屈はいくらでも捏ね回せるけど、

この感覚は言葉で記せるものではたぶんない。

 

いつの頃からか、自分の暮らしにも、そして自分の体にも、心にも、

何やら余計なものがいっぱいまとわりついているように思えてならなくなりだした。

 

それが、
ポケットに入れた土器の欠けらに触っていると、
その余計なものがすーっと鎮まっていって、

 

特に、
物語屋なだけに、
今自分の手にある土器を焼いた人たちが、

どんな「声と言葉」でどんな話をしていたのか、
さわりながらだんだんと、
その「声と言葉」が聴こえてきたりしたらもう、
たまらなく満ちたりた気持ちになってしまうわけです。

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