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ものがたりの錬金術

2021/06/17 奇妙ニ穏ヤカな猫との時間 〜 物語屋の縄文の話 ⑤

 

ときどき、雨の夜などに、猫がじっと外に目を向けたまま動かなくなることがある。

 

降りつづける雨を見ている、

だけではたぶんない気がして、

雨が降る夜猫には見える何か、

それが自分に見えないのは、

きっと随分遠くへ離れてしまったのだろう、

もしも、

もしも離れる前まで還ることができたら

 

20029月から一緒に暮らしはじめたこの猫について、そう言えば以前どこかで何か書いたことがあったなとふと思い出し、パソコンを探してみたら残っていた、「2005年4月」の日付け。

 


 

例えば雨の夜とかに、猫とふたりだけでいる時間を過ごしながら、何とも表現しようのない不思議な感覚に捉えられることがある。

その不思議な感覚を、どういいあらわせばいいだろう?

 

猫の視線、

猫の呼吸、

猫の鳴き声、

 

それらとずうっとすぐそばで接していると、少し大袈裟にいえば、自分の「身体感覚」が、どこかこれまで知らなかった空間に飛んでいくような気分さえ覚え、

 

奇妙ニ穏ヤカデ、

ソレデイテ、

何トナク、

涼ヤカニ、

冴エワタッテ

 


 

15年以上前のこの文章を読みなおして驚くのは(15年以上前から同じ猫と暮らしつづけている別の意味での驚きももちろんあるが 笑)、

自分で書いたものとはいえまったく変わらない感覚が今でもときどき起きて、

改めて、

これはなんなんだろう?

とか、

猫と一緒にいたら誰にでも起きるのだろうか、

とか、

 

うまく言葉につかめないことばかりだが、

一つだけ、

この感覚に一日のうち一刻でも多く長く浸りつづけていたい、

どうやら強くそう願っているらしい自分がいて、

その状態こそがたぶん(物語屋にとっての)「縄文」、

だから、

物語屋がおはなしをつくったり語ったりするときも、

いや、

家族や周りの人たちと接するときも、

もっと言えば、

仕立てとおはなし処Dozoでカレーをつくるときでさえ、

基本的にきっと源泉はすべてこの感覚に突き動かされるかこの感覚を得たいがため、

そして、

はっきりこれを感じさせてくれる猫との時間は、

 

奇妙ニ穏ヤカデ、

ソレデイテ、

何トナク、

涼ヤカニ、

冴エワタッテ

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