物語屋

042-315-6853

〒184-0001 東京都小金井市関野町2-3-11

ブログ

ものがたりの錬金術

2017/05/06 ​面白い噺

IMG_1509

 

語りながらふと頭の中が真っ白になって次が出てこなくなることがある。
これは怖い。
最近はあまりならなくなったけど、「語り」を始めた頃は、ちょくちょく、とまでは言わないまでも、時々あった、その時のことは語り手にとっての実におっかない記憶として今でも残っている。

 

これが起きないようにするためにはとにかくお稽古を重ねる、
という他に思いつける方法が未だない、
最近はあまりならなくなったということは、いつの間にか経験から身についたコツのようなものもあるのだろうか。

 

「あんな長い噺をよく覚えられますね」

 

先日の寄席で物語屋の落語を聞いてくださったお客さまからの感想。

 

それが、
今回やった『愛宕山』については、
これまでで一番と言いたくなるくらいに覚える苦労がなくて、
実は本人としては「長い噺」とも感じてなくて、
もちろん頭の中が真っ白になることもなく、

 

理由は単純、
とにかく噺が面白いのだ。
語りながらストーリーの展開を特に追おうとしなくても、
ただ噺に身を委ねていれば、言葉のほうで、小気味いいくらい勝手に出てきてくれるとでもいうか。

 

これまで何人もの話者が語りついできた噺は、その練られ度合いも話者の人数分、やっぱり半端じゃない。
長い噺を覚える、途中で真っ白にならないためのポイント、
それは、落語と同じくらいに、「これでもか」ってくらいに、
噺を練りに練って練り上げる、しかないのかな。

 

「物語屋さんの落語は落語家の落語と違って、

登場人物たちから一歩退いた位置でおはなしを聞かせる落語ですね」

 

また別のお客さまからの感想。

 

この次に取り組まなきゃいけないおはなしがあまり面白くなくて、
お仕事だからやるしかないのはわかってはいるのだけれど、

 

本番で真っ白になりませんように…

 

IMG_1510

TOP